HCS代表の私、NJの道楽ページへようこそ。
私が学生の頃、世はバイクブームのさなか。年がばれますが。苦労して自動二輪の限定解除し、いよいよ大型バイクを楽しんだわけです。あこがれだったCB750Fに乗ることができました。で、やはり当時、オーバーナナハン=逆輸入車に胸躍らせたものでした。その中でやはりCB1100Rが輝きを放っていました。と、当時のHondaの意欲作CX500TURBOに目を奪われました。GL400に乗っていましたので、あれに過給機ついて、カウルついて…. どんな感じなのかなぁなどと妄想しました。
そんな折、知人がCB1100RDを買ったわけですよ。これで私の選択肢はひとつに絞られました。思い切ってCX500TURBOを手に入れることにしました。当時、逆輸入車というのは今と違って、流通も特殊で注文から納車まで半年待ちました。学生にとって高価な買い物でしたが、CX500TURBOの世界を存分に楽しむことができました。北は北海道から南は九州までツーリングの旅も楽しかったです。
ただモーターサイクルとターボの組み合わせは相性がいいとは言えませんでした。小さな車に大きなエンジンを載せられない代わりに小さなエンジンに過給機を搭載するクルマでは、スペース効率に優れると思いますが、モーターサイクルでは、わざわざ小排気量にして過給機を複雑なメカで搭載する必然性が乏しくも思えます。ただアバタもエクボって感じでしょうか、本来リニアリティなエンジン性能が欲しいモーターサイクルと異なる独特の加速感やサウンドに、私は心が奪われたものです。
時は流れ、仕事の忙しさと引きかえにバイクとの縁が遠ざかっていきました。ただ、いつか再び乗ろうと心に決め… 再び走り出したのは結局2017年。CB1300SFが新しい相棒です。驚きました。あの80年代のマシンからの進化に。圧倒的なバランス感、剛性感、特に安定したブレーキ性能に感動しました。
往年のCB750FやCB1100RをオマージュしたProject BIG1シリーズには親和性を抱きます。しかし、他の新型車も魅力的ではありますが、長く興味を持ち続けることはありませんでした。やはり、どこかCB1100Rへの未練があり、いつのころからか一度は所有し、乗ってみたいと思うようになりました。ただ、現代的なモーターサイクルのレベルを知った上で、あの時代の旧車を求め維持することは自分には重荷であり、躊躇してしまいます。
2010年に発売されたCB1100。スペックを知り外観を見るほど、あのCB1100Rを重ねて見てしまう自分がいました。CB1100をベースに外装をCB1100Rにできたらレプリカマシンができるのではないか。そんな夢を見るようになりました。いっそ自分で作ってみようかなんて考えはじめていた、そんな折、ドレミコレクションさんからレプリカキットが発売されると聞きびっくり、あぁやられた….とも思いましたがやっぱり同じような考えを持つ人がいることに納得したものです。実際に現車を見てみると、すばらしいレプリカ度、高いクオリティに関心しました。よし、私もCB1100とこのキットを買って組み立てようとも考えました。しかしながら、今一つ乗り気になれないといいますか、あまのじゃく気質が邪魔をします。確かにアピアランスは当時のCB1100RDにできる。同じ空冷エンジン、フィンの造形は美しい。けど何か物足りない
Rを名乗るのにアピアランスだけでいいのか、自問自答。本家HondaさんのCBシリーズを私なりに勝手に解釈するとCB1100は、どちらかというとCB750FOURの系風。BIG1シリーズはCB750F~CB1100Rの系風(この辺のHonda自身のコンセプチュルが時としてぶれているようにも見えますが)。つまり今日的な解釈ではCB1100Rは空冷ではなく水冷エンジンを搭載してもよいのではないか。「Rを超えたR」をコンセプトにCB1100(SC65)の車体フレームにドレミコレクションさんのtype Rキット、エンジン・足回りをCB1300SFで組み立てたオリジナルのモーターサイクルを創ってみよう!というバカバカしい企画を思いついたのです。でまず、勝手に車名を決めました。普通に考えるとCB1300R。けど何か軽い印象。Rを超えたR、最高峰であるべきCBの意気込みを込めて、70年代のあの無敵艦隊の名前を借りてRCBとしました。自称「Project RCB」の旗揚げです。
組み立てに必要な純正部品は新品や中古品を探し、必要な新造部品は基本的に自分で設計・調達することと決め、車体の完成度はHondaファクトリー製と見まごう仕上がりを目指すことにしました。いかにものカスタム車ではなく、2024年?のHondaファクトリーで組み立てられたかのようなシナリオとしました(ありえませんがね)。
2020年秋、CB1100(SC65)の書類付フレームを中古で購入。ここからいろいろな考察や部品の調達、組み立てがはじまりました。SC54E(1300cc水冷)とSC65E(1000cc空冷)エンジンの腰下は同じと聞いていましたので、CB1100のフレームにCB1300のエンジンが搭載出来そうだと期待できましたが、エンジンヘッド特に水周りの形状や高さなどで簡単にはいきませんでした。CB1300のエンジンをモンツァレッドに塗装したCB1100のフレームに搭載出来た瞬間は笑みがこぼれました。しかし、ここからが茨の道のはじまりでした。
私がこの文章を書いているのは2024年3月です。2020年からスタートしたProject RCBのこれまでの足跡とこれから先の完成までの報告を随時ご紹介していきたいと思います。